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病気になる前「未病」を治す=治未病=先制医療

「先制医療」とは,個人の遺伝子,mRNA,タンパク質,代謝産物,画像等のバイオマーカーを用い,将来起こりやすい病気を疾患の発症前に診断・予測し,介入するという予防医療です。

 先制医療が実現すれば,高齢化に伴い高騰する医療費・介護費の抑制に加え,治療成績の向上や健康寿命の延長も見込めるとして注目を集めています。

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1. 介護予防、いきいき85歳、若いときからの生活習慣病対策

 65歳以上の人口が20%近くを占める超高齢化少子化社会を迎え、医療費や介護費が増加しています。若い人の負担は増える一方です。このままでは健康保険による診療を受けられない時が来てしまいます。
 そこで、少子化対策とともに病気になる前の「
未病対策」が必要となってきました。「介護予防、いきいき85歳、若いときからの生活習慣病対策」が、今後のキーワードです。「主治医は自分自身」という心構えで生活習慣を改善していくことが大切です。

 発症前の環境因子・遺伝素因から従来より早く予知をして、発症をくい止めようというわけです。そこをもっと科学的に種々のバイオマーカー・手段を使って推進していこうと考えています
 

2. 未病とは?

 もともと、2000年以上前の中国の書物『黄帝内経素問』(こうていだいけいそもん)の中に「聖人は未病を治す」と書かれていて、予防の重要性が既に認識されていたことがわかります。
 「未病」とは、発病には至らないものの軽い症状がある状態です。五臓六腑がつながっているという考えが東洋医学の根本にあり、軽い症状のうちに(現代科学の検査のみでは因果関係が見いだせないが、長い歴史の経験論で個人の症状から)原因となる異常を見つけてだして病気を予防するという考え方です。

 しかし、「現代科学・西洋医学がすべてだ」と思うとわなに陥るわけです。現時点における科学・医学は30年前には想像もできなかったほど進歩しているのは言うまでもありません。ましてや100年前からすると雲泥の差で進歩しました。過去には「胃潰瘍」がヘリコバクタピロリ菌でできるなんて教科書にはなかったはずです。

 今から100年後を考えてみて下さい。今無視されていること、わからないことも将来的に科学的に証明される日が来るかもしれません。しかし実際皆さんも、私たちもその日まで待てません。こういうときに役立つのが過去の経験に基づく東洋医学的な発想です。ただしこれらに妄信的に従うのではなく、なくより科学的な検証をしながら発展させていくわけです。

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3.自覚症状があるのに「検査に異常がないから」と、放置されている場合にも注意

 最近では外来や検診でさまざまな検査ができるようになり、特に自覚症状がないにもかかわらず検査値異常を指摘されることがよくあります。生活の質(QOL)は侵されていないが検査値に異常がある未病の場合、その時点で病気を発症させないための治療をしていく「治未病」(ちみびょう)の考え方が、今後、より重要になってきます。高脂血症、糖尿病、高血圧、高脂血症、加齢も動脈硬化(脳卒中・心筋梗塞)の「未病」の1つと考えることができます。

 しかし逆に、自覚症状があるのに「検査に異常がないから」と、放置されている方も少なくありません。検査といても、単に現在の保険適応内の検査では異常がないが、他の先進的な検査で異常が発見される場合も少なくありません。
 

 一方、東洋医学的~最近では近代医学で臓器連関から何らかの症状がある場合は注意信号と見立てて、たとえ対症療法であっても、それが自己治癒力・自己再生能力を高めるのであれば将来の機能異常を防ぐことになるのでそれなりの治療をする必要があるようです。

4. いわゆる再生医療では遅すぎる~先制的自己再生医療

 今はやりの再生医療は、期待される高度先進医療の一つですが、これは臓器の機能が低下してから部品の入れ替えをするのであって これではすでに遅すぎるのです。これももちろん重要な医療です(狭義の再生医療)。

 しかし、私たちがめざすのは、臓器の機能が低下しないようにより早期から介入し、臓器が傷まないうちに自分で自分の臓器を再生するという本来人間が持つ能力を助けて、先制的自己再生医療をしようというのです(右図参照)。現在の健康保険に基づく医療では、もちろん早期の検査診断・治療介入には適応が制限されます。

 そこで当健康医学研究所では当面の間、自由診療のもとで、これら先制的自己再生医療を行って、皆様のきたる人生100年時代に備えるようにしてまいりたいと思っています。

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5.原因のわからない症状は未病の可能性がある

 現代医学がすべてを解決してくれるわけではありません。代替療法・東洋医学がすぐれている場合もあります。人間の本来持つ自己再生能力を生かしている可能性もあると考えられるからです。病気すべてが、現代医学・科学で解明されているわけではないのです。

 保険診療では認められていませんが、より科学的な最新の検査(AGEs(蛋白質の糖化)活性、酸化ストレス、重金属の検査、LOX index(心筋梗塞・脳卒中のなりやすさ))等で未病状態を発見することが必要です。癌に関しても血中のマイクロRNAやアミノ酸分析で初期の消化器癌を発見できるようになってきました。

 また一方では、患者様の些細な症状・異常でもよくお話を聞く、脈をとるという基本的な診察診断の重要性も増しているのです。検査結果に異状がなくても症状がなくなることを目標とした対症療法も長い目では自己治癒能力を促進して先制的自己再生医療につながっている可能性も十分あるわけです(漢方・温熱療法・鍼灸等)。

 新しい最新の検査結果だけでなく・患者さんの症状を微細に聞き取りその過程をこまめに観察することにより将来予測をもととした未病の治療が可能となるわけです。これは従来の大病院での3分診察では不可能だったように思います。やはり、かかりつけ医となって患者さんを毎月こまめに体系的に問診・診察・検査することが必要です。しかし、現在の患者さんのなかにはまだまだ「3か月に一回の3分診療」が好きなかたがおられるよのは残念です。せっかくの「未病の先制的治療」をうけるチャンスを失うことになるわけです。

 そして治療は、本来何百年も前から自然界に存在していた安全な物質を体内から点滴で高濃度にするわけです。すなわち、各種のビタミン、補酵素、各種ホルンモン、アミノ酸、プラセンタエキス、抗酸化物質、代謝活性物質を直接静脈内投与して経口では到達しえなかった高濃度に必要な組織をさらし未病のうちに、自己の力~自己修復能力・自己再生能力を通して治すわけです。すなわち本来あるべき生活習慣病の予防・治療、ひいては抗加齢治療により近づける方法だと信じていますこれが先制的自己再生医療です。

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